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氷上でワカサギを釣る

            

 ワカサギ釣りの道具は、今や釣具屋に行かなくてもホームセンターでほとんど揃う時代になりました。買い物ついでに家族で道具を選んでしまうような気軽さで道具一式が揃ってしまいます。北海道ではウインターアウトドアの一つとして定着したのではないでしょうか。
 釣果をそれほど気にしなければ、神経質にならなくても、また初心者でも釣れてしまうところが魅力だと思います。網走湖ではレンタルもあるので、手ぶらで行っても料金さえ払えばワカサギを釣ることができます。しかしワンランク上の釣りをしたいのならいろいろとそれなりの道具が欲しくなってきます。
 とりあえずは、何せ氷の上ですから、寒さ対策だけはしっかりしていないと次の日に風邪をひいてしまいます。釣果より先に服装には一番気をつけないといけないでしょう。
 網走湖での氷上ワカサギ釣りを中心として、話を進めていきたいと思います。


<竿>
 氷上で使われるものは大きく分けて2種類あります。一つは「リール」取り付けタイプのもので、もう一つは「手バネ竿」と呼ばれるタイプです。リールは手巻きのものと電動のものがあります。手バネ竿は道糸を巻き付ける2つの突起があります。
        
           リール竿各種             電動リール

                
                       手バネ竿

(リール竿)
 ほとんどの釣り場で無難に対応できるのがこのタイプです。特にワカサギが回遊している棚が深いときに有利であり楽です。ホームセンターなどで売られているのはほとんどこのタイプです。バリエーションも豊かです。
 リールでの釣りは、初心者でも真っ直ぐに穴からワカサギを釣り上げることができます。ワカサギは底に群れていることが多いので、ほとんどの場合は仕掛けを何も考えずに着底させてラインのたるみを取ればいいでしょう。群れている棚が違うときはリールを何回巻くかなどで調整すればいいと思います。リールによってはラインをどのくらい出したか表示するものや一定の棚でストップしてくれるものまであります。
 しかし欠点としては、どうしても手持ちの重量が重くなってしまうことと、氷点下の中での釣りではリールのラインやガイドが凍り、うまく回せなくなるなどのトラブルが起こることがあります。まあ、テントの中なら凍結の心配はないので大丈夫でしょう。

(電動リール竿)
 本州のワカサギ釣りでは専用の電動リールまで登場しています。電動リールを使ったワカサギ釣りがかなり浸透しているようです。値段は竿とリールの一体型で1万円以上、普通クラスで2万円程度と高価です。そのシステムを使って10m以上の深さのワカサギの棚を手返しよく攻めるという釣りとなるわけです。現在はダイワやシマノからも販売されています。
 網走湖では棚が浅いために電動リールは全く必要ありませんが、底が5〜10mより深いような他の湖ではその手返しの良さが重宝しそうです。特に10mを大きく超えるような深場では手バネ竿では手繰りが厳しく、電動リールは非常に頼もしいグッズになると思います。
 ただ、手巻きのリールと比べて、巻いているときにワカサギがかかっているかいないなどの手応えを感じることは難しく、私が使用した感じでは仕掛けを上げてみたらワカサギがいなかったなどのスカが多かったと感じます。やはり感度のいいPEラインが必要なのでしょう。また、厳寒時の電池の持ちも気になるところです。あと、最大の欠点は高価であるということでしょうか。しかし所有欲は十分満たしてくれるグッズです。メカ好きなら是非。

(手バネ竿)
 手バネ竿は、竿の握るところにラインを巻き付ける箇所があります。リールを付けない分、単純な構造でとても軽いというのが一番のメリットとなります。氷点下でもトラブルが少ないのがいいです。
 手バネ竿ではラインの手繰り(たぐり)が重要です。初めての人には難しいかもしれません。あわせてからラインを手繰って仕掛けのところまで引き上げます。文章で書くのは難しいのですが、手繰ったラインを片手に畳みながら、両手でどんどん穴の中からラインを取り出していきます。高い堤防の上から水くみバケツのロープをスルスルと持ち上げている感じでしょうか。何度かやるとコツも掴めると思います。
 しかし棚がとても深いときにはめんどくさいでしょう・・・。手でラインを引っ張っていくのですから、深くなればなるほど労力もかかるし時間もかかります。5〜10m以上の深いところなら、リール竿のほうが間違いなく手返しはいいと思います。
 また、500円程度の値段から釣具屋でよく売られていますが、単純な構造故に自作する人も多いようです。有名釣具メーカーからは出ていませんが、本州の様々な小メーカーから高級品が続々と出されています。
 手繰りファンに愛用される手バネ竿、ラインを次々と手でたぐり寄せるところからプロっぽい感じがしてかっこいいです。慣れるとリールより早くワカサギを取り込めると思いますがどうでしょう。

(竿の選び方)
 どれがいいかと聞かれると難しいのですが、1年に2,3回しか行かないという方、ベテランのサポートがあまり見込めない初心者やお子さんであれば、まず手始めにリール竿がいいと思います。手バネ竿だとラインがこんがらがったりするなど、ラインの扱いに苦労するであろうからです。
 ただし、水深が2〜3m前後と浅い網走湖では手バネ竿が有効だと思います。私も網走湖では手バネ竿を愛用しています。ワカサギ釣りに深く関わっていこうと思っている方々にお勧めします。慣れればリール竿よりも手返しがいいと勝手に思っています。
 ただ、水深が深いところでは、手バネ竿は不利になりますので、網走湖以外にも釣行しようと思っている方はリール竿から用意するのが無難です。
 竿の長さは、あまり長すぎるとテントの中で使いづらいし、あまりにも短すぎると竿の弾力が少なくてワカサギをバラシてしまいます。素材にもよるでしょうが、グリップ(握る部分)も合わせて、売られている竿の中間あたりになる40〜60cmぐらいが適当だと思います。テントの中だけで使うのならもっと短いものでもよいと思います。
 ただ、小さな魚がターゲットなので、アタリが分かりやすいような柔らかいものを選んでください。しかしながら、竿の調子は個人によっても好みが違うので大変難しいです。長さも調子も各自の好みなので、お気に入りの1本を見つけてください。
 私の場合は、最初は安くて硬めの竿からスタートし、最近はかなり柔らかめの竿となってきています。竿を持って振ってみると気持ちよく曲がりながら「ヒュンヒュン」としなる音が聞こえる柔らかさです。個人的には胴調子が好きですね。

 ワカサギ竿といってもいろいろな材質のものが売られていますが、高いものをあえて最初から買う必要はないでしょう。まあ、最初は気楽に数百円の安い竿で挑戦してはどうでしょうか。竹や下敷きなどのプラ板、ゼンマイ、鯨のヒゲなどで自作する方もいますが、それはさらなる未知の領域です。面白いかもしれません・・・。


<ライン>
 最初は竿のセットについているもので十分でしょう。たいていはリールにしても手バネにしてもラインが付属していることが多いです。最初はもちろんそれで構わないと思います。付属していない場合は別に用意する必要があります。
 最近は、ワカサギ用のラインとしていろいろ各社から出されるようになりました。取りあえずナイロン製のものを選択するとトラブルは少ないと思います。PEラインのものもありますが、テントの中のリール用ラインとしてもっぱら使われるようなので野外ではお勧めできません。ただ、深場での釣りの際にはPEラインのほうがワカサギの繊細なアタリを見逃すことが少なくなると思われます。
 氷上で使用するので白色ではかなり見づらいです。そこで、蛍光色や黒色が多く使われています。そしてある程度太くないと、氷にくっついたりしたときに切れたりしますので注意が必要です。網走湖での手バネ竿ならナイロン1号から1.5号ぐらいが適当でしょうか。


<仕掛け>
 氷上ワカサギ釣り専用のものを使用します。仕掛けを買うときには「氷上」「ワカサギ」と表示されているかどうか確かめましょう。できれば現地の近くの釣具店で購入するのが望ましいです。港などのチカ釣りで使われているものと似ていますが、針と針の間隔が長くて、氷上では非常に使いづらいと思います。
 初心者でトラブルを回避したいなら、仕掛けの長さと針数に注目してください。全長が短いほどエサをつけやすいし穴から出しやすいです。棚の深さなどの状況で長い方が有利な場合もありますが、がまかつ「テントワカサギ」など、最初は全長が短いものの方がお薦めです。
 針の形状もいろいろありますが、これも好みです。ただ「秋田狐」と呼ばれる針に人気があります。吸い込みがよくエサが付けやすいという利点があるからです。下針が付いた仕掛けもありますが、水深が浅く魚影が濃い網走湖ではあまり必要ありません。他の釣り場ではいいと思いますけど、あまり下針にこだわると網走湖ではカワガレイがガツンと食いついてきます。また、サビキやスキンが付いている仕掛けも売られていますが、これは好みです。経験上、釣果に大きくは差がないと思います。
 針の号数は、他の場所では2号以下が多いようですが、網走湖の場合は魚体が大きいためにほとんどの人は2.5号、3号程度を使用しているようです。アタリが渋いときは2号以下もいいでしょう。その場所のワカサギのサイズに合わせて用意することが肝心です。
 私は、網走湖ではたいてい「がまかつ」の仕掛け2.5号を愛用しています。ほとんどはそのまま使用しますが、付属しているおもり(2.5号の重さが多い)が重すぎるので、それだけは必ず交換します。明るい赤または夜光色、銀色などで、重さは最近では1号(3.75g)かそれ以下を愛用しています。明るいおもりで集魚力を高めるということと、おもりが軽い方がワカサギのアタリをとりやすいからです。竿とのバランス、深さ(浅い場所では軽いおもり、深い場所では少々重いおもり)などを考えたおもり選びが大事だと考えています。おもりにこだわるといろいろと面白いですよ。
 あと、効果は分かりませんが御利益があるかもしれないというノリで、釣れない日中は仕掛けの一番上に集魚ミラーをつけることがあります。
 仕掛けは絡まったりなどトラブルもありますので、予備も十分に用意しておくと精神衛生上大変よろしいです。私は派手系とシンプル系、中間系を組み合わせて用意しています。
              
        私がよく使用する仕掛け         おもりには気を遣う


<えさ>
 通常は白サシでしょうか。サシに色を付けた紅サシも人気があります。他に赤虫や、最近はラビットと呼ばれる極小サイズのサシも売られています。人工のエサも売られています。網走湖の場合は魚体が大きいのでサシの大きさにそんなにこだわる必要はないでしょう。また、仕掛けに白サシと紅サシを交互に付けるという人もいますね。食いが多い方を多く仕掛けに付けるようです。私は白サシと紅サシ両方を用意していくことが多いですが、結局は白サシを主に使います。紅サシでとても釣れたという経験ってあまりないんですよね。
 よく、サシを半分に切るといいという話を聞きますが、網走湖の場合は魚体が大きいので私はほとんどしていません。釣れているときはめんどくさいということでしょうか。
 ただ、食いが渋くなったら効果はあるのでよく行います。隣同士の針を1匹のサシの頭と尻に差し、真ん中をハサミで切ります。その時のハサミですが、和ばさみタイプだといつも開いている状態からサッと片手で作業できるので便利だと思います。
 あとは、サシにチーズなどを食わせるという集魚効果を狙ったエサ作りをしている人もいますが、どうなんでしょうか。そういうような試行錯誤も釣りの楽しみでしょう。


<えさ箱>
 エサ箱は必要です。袋のままだと取り出しにくいですよね。そしてサシが凍らないように、また濡れないように守ってやらないと弱ってしまいます。釣具屋に売っているような専門のエサ入れでもいいんですが、私は100円ショップのタッパを使っています。開口部が広いし使いやすいですよ。
 いずれにしても元気なエサをつけて大漁ゲットを。



<竿立て>
 いつも竿を手に持って釣る人なら必要ないでしょうが、人間やっぱり休みたくなるときもあるもの。竿を手にしていないときでも、敏感なワカサギのアタリに対して竿の先をいつも浮かせておきたいですね。そして何よりエサ交換の時に大事。
 竿立ても各種売られていますので、自分の好みのものを。最初は無理して買わなくても、その場で雪を集めて雪像ならぬ雪竿立てを作るのもいいです。
 最近の私は、エサ交換の時に杭打ちタイプの竿立てを使い、それ以外は手で持つかバケツの上に引っかけるというスタイルになりました。

              
            雪を集めて・・・。           クリップ式の物

              
        定番の下から支えるタイプ          杭打ちタイプ


<バケツ>
 ワカサギを入れるバケツは必要です。足下にワカサギを転がしておいたら踏んでしまいますよ。フタ付きならワカサギを入れたまま雪を詰め込んで鮮度を保ちながら家に帰れます。
 私は常時バケツの中に水を入れ、ワカサギをある程度泳がしておきます。こうすることにより、釣り上げたワカサギの口からエサをはき出させたりお腹の内容物(いわゆる糞)を出させたりします。味が良くなると聞いたことがありますが、気分的なものも大きいでしょうね。
 バケツに水を入れるには氷の穴からくみ上げるので、コップなどの容器が必要です。紙コップでもいいのかもしれませんが、末永く使うということで100円ショップで探してきました。バケツの横にかけられる柄のタイプにしてみましたが、おしゃれな感じで気に入っています。
 私が愛用しているのはShinwa(伸和)コマセバケツ5号。5リットルと大きさも手頃だし、角形で荷物として扱いやすいだけでなく、足下の収まりがいいように感じられます。元々コマセを入れるバケツなのでフタをしたときの気密性もバッチリです。



<テーブル>
 ワカサギ釣りをしていると欲しくなってくるのがテーブルです。氷や水の上に直接置きたくない物ってありますよね。えさ箱もテーブルの上に置けば屈まなくて取りやすいと思います。腰に負担がかからないのはいいです。
 あと、暖房器具の下に敷くものが必要です。そうしないと本体の熱で氷の中に埋まっていってしまいます。これはテーブルでなくても木の板などで結構ですが、足つきのものの方が水に浸かりにくいので、低めのアルミテーブル(写真右)を使っています。
               
         アルミツーリングテーブル        アルミロールテーブル
             (コールマン)           (キャプテンスタッグ)


<アイスドリル>
 どうせ買うなら長く使うことを考えて、ある程度高いものを購入しましょう。7000円ぐらいから10000円以上のものがあります。替え刃(2000〜3000円)の用意されているドリルは将来が約束されているようなものです。あと、朱鞠内湖のように氷が厚い場所用に延長パイプ(継ぎ足して長くする)を自作する人もいますが、他の釣り場ではほとんど必要ないでしょう。
 網走湖では一穴300円で開けてくれますので、年に1度ワカサギ釣りをするかしないかという人ならドリルはいらないのかも知れません。しかしワカサギ釣りでは、なぜか隣の穴がよく釣れるとか、この穴は藻や外道しか釣れないといったことがあります。不思議な話ですが、穴をちょっとずらすだけでよく釣れるようになったりすることもあるので、案外ドリルの出番があります。
 夕方しか釣らないんだという人には、昼過ぎに帰った釣り人の残していった穴で釣るという技もあります。穴のリサイクルということですかね。
 頑丈な鉄製につきものの錆び対策が必要です。お手入れを怠っていると錆びてしまいます。釣行後はよく乾燥させることと、ネジ部分に注油しておくといいと思います。
 ドリルを扱うときには刃に指など触れないように気をつけましょう。出刃包丁みたいな刃がついていて、指などサクッと切れると思います。大変危険です。
 なお、氷割り棒というものも売られていますが重労働になると思うので、氷の薄い場所や時期に使用する以外は出番がなさそうです。



<氷すくい>
 網目状のおたまの形をしたものです。これがなかったら釣りにはなりません。ドリルで穴を開けたら、かき氷状になった氷を最初にかき出さないと仕掛けは入れられません。また、釣りを続けていくと水面に氷が浮かんできたり薄い氷の膜ができたりしてきます。それを取り除くのもこの氷すくいです。なお、ワカサギが穴の付近で針からこぼれてしまったらタモ代わりにしてすくうこともできます。
 台所用に似たものがありますが、網目が細かすぎます。ある程度網目が大きくないと、氷がすぐ詰まって使えなくなります。やはり専用のものがいいということになります。
 私は氷すくいの柄に棒(風呂掃除用具の柄)を取り付けて延長できるように改造しています(下の写真)。こうすると、穴の深いところの氷くずを、手を突っ込まずに取り除くことができます。氷が厚いときは便利でした。
 なお、仕掛けの針が氷の穴の壁に引っかかってしまったとき、この延長用の柄の先を使って引っ掛かった仕掛けを救出することができます。一石二鳥、意外と出番があります・・・。
               
          つなげると長くなる!        仕掛けが引っかかったら・・・


<トング>
 ワカサギや外道の魚を掴むのは釣りをしていたら当たり前ですが、こういうときにトングは大活躍です。
 バケツからこぼれてしまったワカサギや外でバケツの水を捨ててワカサギを袋に入れるときなど、サッサッと拾い上げるときに便利です。寒いと雪や溶けた水の中に手を突っ込みたくないものです。そしてできれば手を汚したくないと考えるのも自然の流れ。掴みづらい外道もこれでOK。腰を屈めてワカサギを掴まなくてもいいし、トングを利用するようになってからはとても楽になりました。
 ちなみにこの写真のトングは100均で購入。コストパフォーマンスは最高です。


<服装>
 氷点下10℃以下の中で1時間じっとしていても大丈夫な服装・・・といわれても難しいですよね。比較的暖かい日や太陽が出ているときであればスキーウエアーでも十分でしょうが、動いているときは暑く感じるくらい重ね着をしないと、釣りを続けるのがいやになります。
 長靴は必需品です。積もった雪と湖の氷の間はびしゃびしゃに濡れていることがあります。そして暖かいインナーの入っている、冬用の長靴でなくてはなりません。
 また、冷えるときには足下からくるので足の備えを一番考えることが大事です。野外で釣っていた頃には、私は底に足下が暖まるシートを敷き、それに加えてさらにつま先には靴下用ホッカイロを貼っていました。靴下は「足の冷えない不思議な靴下」+最近流行の水蒸気を熱に変える?素材の靴下を二重にしていました。これでも寒いときがあるので、氷の上にマットなどを敷くこともありました。現在はテントの中での釣りになったのでここまでしなくても大丈夫、厚手の靴下程度で過ごせます。
 次に冷えるのは指先ですが、濡れても大丈夫な冬季作業用の手袋がいいと思います。エサを付けるときにはどのみち脱がなくてはいけません。顔や首もよく冷えます。目出し帽と呼ばれる目の部分以外をすっぽりと覆う帽子に、上着にフードがあればそれもかぶります。また、ベストの形になっている着るホッカイロも売られていますので、それを身につければかなり暖かいです。
 テントがあれば外より体感気温は高くなるので楽です。風が体に当たらないだけで全然違います。暖房器具があればテントの中では帽子も手袋もいらなくなります。その日の気温や暖房器具のあるなしなど考慮しつつ、問題なければスキー程度の服装でも大丈夫でしょう。
 暖かいのであれば脱いでいけばいいので、楽しい釣りをするためにも十分暖かい服装をしてください。


<暖房器具>
 氷上で寒さに震えながら釣りを続けるのは、どんなに忍耐力がある人でも嫌気がさしてくるもの。そんなときに手元に暖かくしてくれるものがあったらどんなにうれしいことか。そんなときには暖房器具の出番です。
 一般的に「ガスを使うもの」「ガソリンを使うもの」「木炭ストーブ」「練炭ストーブ」があります。あとかなり重たくなると思うのですが、反射式灯油ストーブや発電機による電気を利用しての電気ストーブなどもありますが・・・。いずれにしても全ての条件に合う最高の暖房器具はありません。それぞれ一長一短ありますので、自分の環境に合うものを選択することになります。
 ただ、最後に記述してありますが、くれぐれも一酸化炭素中毒には気をつけるようにしてください。

(ガス)
 ガスのカセットボンベを入れたりはめたりするもので、手軽で便利です。ここ数年で種類も豊富になりました。イワタニやユニフレーム、コールマンなどのアウトドアメーカーから各種ヒーターが発売されています。
 しかし氷点下の世界ではガスが気化しづらくなって点火しない、または燃焼が大変弱くなるのが欠点です。スーパーなどで普通に売られているガス(ブタンガス)では早朝の寒い時間帯に点火すらしないでしょう。
 このような厳しい状況でも燃焼させるために、寒冷地用ガス(イソブタンなど)が各メーカーから出されています。キャンプ用品を扱っている店で売られています。その際、器具によっては寒冷地ガスが使えないものもありますので、取扱説明書などで確認することが必要です。
        
  ユニフレーム「コンパクトパワーヒーターUH−C」       イワタニ「カセット暖CB−8」

(ガソリン)
 ホワイトガソリン(ナフサ)を使います。車のガソリンと違って添加剤などの入っていないガソリンです。とにかく、氷点下(メーカーの説明では−40℃まで)の状況でも元気よく点火して燃焼してくれます。そしてガスの燃焼器具より格段に暖かいです。
 ガソリンを使った器具はほとんどがコールマン製品となってしまいます。有名なものとしてはコールマンのガソリンストーブ508Aとヒーターアタッチメントの組み合わせがあげられます。また、ガソリンランタンも明るいだけでなくその燃焼力によって十分ストーブとして役に立ちます。
 しかしポンピング(空気圧縮)や給油が面倒くさいと感じる人もいるでしょう。さらに点火なども難しく、多少火を噴きますし、扱い方が悪いと小爆発したりすることもあるので、慎重に手順よく扱う必要があります。火を消したと思ってもまだくすぶっていたりなど、すぐ片づけられません。日頃手入れもしっかり行わなければなりません。慣れていないと敷居が高い燃料と器具ですが、それだけに愛着もわきます。
               
        コールマン「スポーツスターU508A」      ホワイトガソリンとガソリンフィラーU
               +「ヒーターアタッチメント」


(木炭・練炭)
 木炭、練炭はコストが低く、火力もあって大変暖かいです。昔からワカサギ釣りの暖房として使われていますね。
 木炭用、練炭用それぞれ鉄製のミニストーブが売られていますが、別に木炭用でもなんとか練炭も燃やすことができます。もちろん専用品のほうが収まりも効率もいいと思います。2000円くらいでそれぞれ専用のストーブが買えるでしょう。さらに練炭を2つ入れることができる背が高い練炭ストーブもあります。
 木炭を使用する場合は焚きつけや着火剤が必要です。火がついたばかりではパチパチと火の粉が飛んだり爆ぜたりしますので注意です。
 練炭は、現在よく売られているものは円筒形で、空気の通りが良くなるように穴がたくさん開いています。マッチ練炭といわれているものがいいでしょう。着火剤が塗られているほうに火をつけて燃やします。長時間、しっかり燃えてくれます。ただ、最初のうちは特有の匂いがして臭いです。
 いずれにしても火を起こすのに時間がかかります。練炭は木炭より早く着火しますが、それでも大変遅く感じるでしょう。
 なお、練炭・木炭のストーブを買ったなら、一緒に火ばさみを用意する必要があります。そして写真のようにストーブの下に木の板などを敷いておくと、ストーブが氷の中に沈没?(熱で氷を溶かしていき氷に埋まっていく)していかないです。
 木炭、練炭双方共に、炎が安定するまでに不完全燃焼を起こしますし、安定すると一気に燃えて大量の酸素を必要としますので、再び不完全燃焼を起こしやすく、そうなると大量の一酸化炭素を発生させるので、テントの中での使用はかなり危険で、絶対避けるべきです。火の粉も飛ぶのでテント火災にもつながります。野外だけの使用に留めなくてはなりません。
 また、すぐ消そうと思ってもそう簡単には消せません。後に残るカスも処理が面倒ですね。氷上に捨てたりしてはいけません。ゴミとして持ち帰る必要があります。

(暖房器具の選び方)
 それではどんな暖房器具を選ぶかですが、テントの中でどうしても使うのならガス、またはガソリン器具となります。その際は後述しますが、酸欠さらに一酸化炭素中毒を防ぐために、使用は最小限にする、換気を十分に行う、そして自己責任というのが条件です。
 私は、テントの中ではコールマンのガソリンストーブ「スポーツスターU508A」にオプションの「ヒーターアタッチメント」をつけて使用しています。テントの中では十分な暖かさを得ることができます。その上にそのままヤカンを載せることもできますので、飲食にも便利です。さらにユニフレーム「コンパクトパワーヒーター」やイワタニ「カセット暖CB−8」のガス器具を併用することもありますし、それら1つだけで大丈夫な気温の場合だってあります。また、夜釣りでテントが小さいときはガソリンランタンだけでも結構暖まることができます。
 吹きさらし、つまりテントの外で使用することを考えると、一番燃焼効率がいいのは練炭でしょう。練炭はある程度木炭よりある程度早く火がつくので焚き付けは必要ありません(一応用意しましょうね)。どんどん燃えて火持ちもいいし、コストも高くはないです。
 それでも私は以前、木炭をよく使っていました。肉を焼いたりしたからです。炭の風味がホルモンとかをさらにおいしく引き立ててくれますからね。しかし練炭だと最初のうちは特有の匂いがして、焼いている食べ物に匂いが移ってしまうことがあります。そういうわけで氷上での炭火焼きは最高でした。さすがにテントを買ってからは木炭ストーズの出番がなくなってしまいましたが・・・。


(恐ろしい一酸化炭素中毒)
 最後にしつこいようですが、密閉されたテントの中では、これらの暖房器具は本来基本的に使用してはいけないということになっています。一酸化炭素中毒という恐ろしい事故を起こさないためです。毎年のように、釣り人が倒れていた、最悪亡くなったというニュースが流れます。特に練炭や木炭は、前述のように不完全燃焼を引き起こしやすく、多量の一酸化炭素を出すので絶対避けなくてはなりません。
 この一酸化炭素という気体は、テントの中に溜まっていってもそれ自体は無臭なのでわかりません。倒れる寸前まで自分が一酸化炭素中毒になっていることに気が付かないのです。目が痛い、頭痛、眠くなった、しびれ、目眩、吐き気などの体の不調を少しでも感じたら酸素欠乏症、または一酸化炭素中毒の前触れの恐れがあります。
 これらのことから、テントの中では暖房器具は使わないか、自己責任で使用するときでもガスやガソリンの暖房器具にし、必要最小限の使用にとどめることと、窓を常時開けておく、入り口を半分開けておくなどの室内空気の循環を徹底すること、そして寒くても定期的におもいっきり換気するなどの必要があります。



<テント>
 これがあればどんなに楽なことか・・・。最近はほとんどの人がテントを張って釣りをしています。私は数年前までテントを持ってなかったので、テントの代わりに体を張って釣りをしてました。風が強くなればなるほど体感温度がみるみる下がっていって、しまいには釣りが嫌いになっていきます。
 ワカサギ釣りで使用されるテントは、床がなくて直接氷になっているところがキャンプで使用されるテントと大きく違います。
 コールマン、小川、ロゴス、キャプテンスタッグ、スノーピークなどのキャンプ用品メーカーから各種出ていますが、フィッシュランドなどの釣具店からも出されています。どれを買えばいいのか、ちょっと迷ってしまうところですね。
 ワカサギテントを買うときに一番重要なのは、組み立てのしやすさと大きさでしょうか。風などで倒れたり壊れない丈夫さも大事です。組み立てやすいというのは、氷上でもたもた組み立てたり片づけたりしたくないということです。大きさは各種ありますが、いつも釣りに行く人数+αぐらいの広さでないと狭くてたまりません。テントを買うなら、とっても大きいかそれとも1人用かの極端な選択がいいのかも。
 私のテントは小川テント「ノースガード7」です。7人用と書かれていましたが、荷物もあることだし最大4人がいいとこでしょう。これで氷上生活も快適です。この小川のテント、折りたたみ傘のようにカパッと開きます。組み立ても撤収もあっという間で最高です。しっかりしているし品質も納得のいくものです。
 設営の時のテントの向きですが、前日の天気予報や当日の風向きや風力を確認し、入口をなるべく風下にして設営するといいでしょう。出入りの度に風が入ってこないし、入口を開けたとたんに強風でテントが壊れることもある程度防げます。ロープもしっかり張る必要があります。
 注意ですが、締め切ったままのテントに長時間入っていると酸欠状態になることがあります。換気口を開けておいたり新鮮な空気を取り入れる工夫を行ってください。また、テントの中で暖房器具を使用すると酸欠、さらに一酸化炭素中毒になることがあります。テントの説明書には火気厳禁と書かれているはずです。どうしても暖房器具を使いたいという場合には前述の<暖房器具>の欄を参考に、自己責任でお願いします。


<ペグ・ハンマー>
 テントに付属してくるペグとハンマーは弱いものがほとんどだと思います。このノースガードに付属してきたペグも、初使用の時に氷にうまく刺さらずすぐ曲がってしまったので、すぐにスノーピークのソリッドステークを購入しました。こいつは強力です。スノーピークのペグハンマーと合わせて、さすがに面白いように氷に刺さっていきます。テント設営の時間も結果的に節約できるのでおすすめです。
 ちなみに私の場合は、4つ角に30cm、中間に20cmのペグを打ち込みます。これで8本。そして張り網を必要に応じて30cmのペグで固定します。ですから30cmが4本+張り網の分4本程度、20cmが4本となります。風が強そうな場合にはさらに追加して持って行きます。ただこれだけの本数、ちょっと重たいです。


<そり>
 ここまで荷物が多くなると、そりがなかったら現場に行くまでに何度も往復することになります。そりを買うときにはまず自分の車に乗せることができるかを考えて買いましょう。子どもが遊ぶためのそりは小さすぎるので、結局は大きい専用のものが欲しくなります。
 雪の上を滑らせていると、そりは意外に雪の上で左右に傾きます。ただ荷物を乗せているだけだとこぼれてしまうので、ひもなどで荷物をきちんと固定したほうがいいでしょう。


<スコップ>
 湖の氷の上にも、地面と同じように雪が積もります。ポイントに着いたらまず除雪して自分の釣り座を確保しましょう。そしてテントの裾の部分に雪をかけておけば風も入ってきません。大雪の次の日なら除雪しないと釣りができないので必需品です。
 小型の持ち運び用でも構いませんが、やはりいつも雪かきで使っている普通サイズのスコップのほうが扱いやすいです。


<いす>
 いすは必需品といっていいでしょう。寒いときにはいすに座ってストーブで身を暖めながら釣るのが氷上での釣りのスタイル?です。
 折りたたみのコンパクトなタイプのいすで十分ですが、私はコンテナ箱の上に木の板を加工して載せて使っています。このコンテナに荷物を入れたりできるので一石二鳥です。木のぬくもりもお尻を暖めてくれているような気が・・・。さらに座布団も導入してからは腰の痛みが減りました。
 お座敷スタイルの場合にはお風呂のマットみたいなものがあればいいでしょう。マットの上にあぐらをかいて、という釣りもいいかもしれません。


<その他>
 昔、テントの外で釣りをするときには飯ごうを持っていきました。飯ごうはいつも木炭ストーブの上に置いておき、お湯を確保しておきます。飯ごうのふたはあの細長い形状のおかげで氷の穴から水をすくいやすいし、その水を飯ごうで温めておくのです。竿先が凍ったときに溶かしたり、穴にお湯をたまに入れて薄氷が穴をふさがないようにしたり、氷すくいの網目が凍ってもお湯の中につっこめばすぐ復活です。テントを買ってからは出番なしです。本来の用途であるキャンプで使われています。
 ヤカンと水を持っていくと、温かいコーヒーやココア、カップ麺などが楽しめます。タオルは必需品です。タオルがあれば濡れた手を拭けます。ラジオがあれば退屈しのぎになります。
 よく忘れがちなのがお箸とコップ、お湯にするための水。「食」ってワカサギ釣りでは意外とウエイト高いんです。
 こう考えていくと、荷物が多くなりますね・・・。自分のスタイルと相談してください。


<遊漁料>
 網走湖の場合は遊漁料800円が必要です。基本的に管理棟のプレハブで支払います。
 しかし、管理棟が開いていない早朝から釣り始めたときや、管理棟から離れた場所に入釣したときにはスノーモービルなどで係員が徴収にやってきます。あまり釣れてなくても気持ちよく払わなくてはなりません。
 他の湖などでも遊漁料が必要な場合がほとんどので、どのように支払うのかなどきちんと確認してから釣行の計画を立てる必要があります。


釣り方は・・・
 釣れる場所が日によって微妙に違うので、見当がつかないのならベテランさんたちが何となく集まっているところの近くに、なんとなく釣り座を構えるといいと思います。混む場所なら、人が少ない場所を考えて少し奥へ行った方がいいでしょう。
 釣れる時間はなんといっても朝方です。早朝から2時間くらいがいい時間です。解禁後数日は別にして、大抵は昼ごろピタリと釣れなくなります。夕方はまた釣れ始めますが朝よりは釣れないでしょう。そして氷の下にも音が伝わるので、たくさん釣りたい人は静かな場所で静かに釣りをしたらいいと思います。

 仕掛けを入れたら、まずはワカサギの回遊している棚を探すのがセオリーだと言われています。網走湖の場合は、底から2、3cm程度少し上におもりがあるような棚に仕掛けを投入します。底は氷上から2〜3m程度なのでそんなに深くはありません。これで釣れるのならそれを続けるといいでしょう。逆に朝方と夕方は氷のすぐ下に群れていることが多いです。浅場がほとんどの網走湖の場合は、いろいろと棚を変えるよりは場所を変えるほうが釣れることが多いようです。
 ワカサギは基本的に早朝は浅場に多く群れており、日中は底に群れていることが多いです。ただ、その日の天候などの条件で遊泳層は変わります。もちろん回遊しますので同じ場所がずっと釣れ続けるということは少ないです。

 置き竿より手で持っていた方がよく釣れます。微妙に仕掛けを揺すって誘い、ちょっと待つとワカサギが食いついてきます。アタリはグッと引っ張られる明確なものから、ほんのちょっとラインが動くものまで様々です。食いが渋くなる日中はかすかなアタリが多くなります。
 反応がツンツン程度でグッとあわせると、早すぎてワカサギが針がかりしない場合が多いような気がします。最近の私はラインがスッと横に動き始めたらあわせます。つまり遅あわせでしょうか。いずれにしても、竿先がブルブル動き始めたらそれはもうワカサギが仕掛けから逃げようとしているときです。そうなると遅過ぎるので、その前にあわせましょう。
 あわせはこれまた微妙に手首または腕全体で行うのですが、先調子の堅めの竿なら数cm手首を上げるといった感じでしょうか。私の竿は柔らかめなので腕全体を持ち上げるという感じの大きなあわせです。何とも言葉ではうまく表現できないのでとにかく経験してみてください。

 プルプルとワカサギがかかったら、仕掛けをとにかくまっすぐに上げてください。斜めにラインを巻き上げていくと、ほとんどの場合は氷の穴の壁に仕掛けが引っかかってしまい、ワカサギが逃げてしまうか仕掛けが切れるかしてしまいます。
 ワカサギを穴から出したらすぐにワカサギを仕掛けから取り外し、またすぐに仕掛けを投入してください。ワカサギは回遊魚ですから、もたもたしていると群れが通り過ぎてしまいます。ここが素早くできる人は釣果が全然違います。また、バラシが多いと警戒して釣れなくなるようです。
 ワカサギの上あごに針がかかった場合はすぐ針が取れます。しかし下あごの場合は上あごのように簡単には取れないので両手を使うことが多くなります。
 ちょっと釣果が落ちたなと思ったらエサを付け替えてください。私は15分ほどで取り替えてしまいます。見た目が大丈夫でもエサはすぐ傷むものです。うまいことこまめにエサを付け替えている人は釣果が全く違います。

 ちなみに、網走湖では外道で「ヌマガレイ(カワガレイ)」「ウグイ」「ウキゴリ」「イトヨ」「イバラトミヨ」「フナ」「アメマス」が釣れることがあります。


さらにディープに調べたい方へ
 いい本が出てますよ。つり人社「なるほど!THEワカサギ大全」と新風社「楽!ワカサギ釣り(郡千釣著)」は最新のワカサギ釣り情報が満載です。読んでみると、本州のワカサギ釣りってマニアックというか、かなりオタク化しています(笑)。
           




                      

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